“The Legend of Iron Purl” みんなの編み物ヒーロー

date:

 category:


原題:The Legend of Iron Purl
仮題:伝説のアイアン・パール
作者:Tao Nyeu(タオ・ニュウ)
出版社:Rocky Pond Books (an imprint of penguin random house)
出版年:2022年/ページ数:40
*試訳(全文)あり

あらすじ

ふわふわ家のおばあちゃんは、毛糸をつむぎながら、子ウサギや子ギツネたちにお話を聞かせてくれます。伝説のヒーロー〈アイアン・パール〉が、いたずら好きの〈わんぱくボブ〉をこらしめるお話が、子どもたちは大好き。でも、編み針や毛糸をつかってたたかうヒーローなんて、本当にいたのでしょうか? 〈アイアン・パール〉の正体は……?

お話を聞きにくる子どもたちは、ウサギ、アライグマ、キツネ、アナグマといった森の仲間。対して、ふわふわ家のおばあちゃん(と、おじいちゃん)は、白いモグラのような、ちょっと不思議な生き物として描かれています。

お話の中で、伝説のヒーロー〈アイアン・パール〉は、鋼のように硬い糸を操り、すばやい針さばきでロープやネットを編んでは、〈わんぱくボブ〉のわるだくみを何度も阻止します。ボブがしかけたコウモリをつかまえたり、火事の火を消したり……。漫画のように吹き出しを多用して、〈アイアン・パール〉の活躍が生き生きと描かれます。

ちなみに、アイアン(iron)は、メタルの編み針、パール(purl)は裏編みのこと。日本では棒針は竹製が主流ですが、海外では金属製や木製の編み針がよく使われています。

作者のTao Nyeu(タオ・ニュウ)は、オハイオ州生まれ、ニューヨーク育ちのイラストレーター・絵本作家。2008年に、文字なし絵本 “Wonder Bear” でデビュー。2作目の “Bunny Days” は、2010年ゴールデン・カイト賞絵本(絵)部門オナーブックに選ばれ、2011年エズラ・ジャック・キーツ賞(新人画家部門)を受賞しました。

デビュー作の”Wonder Bear” は、『魔法のしろくま』(長崎出版)として邦訳出版されています。

2024年の作品”Exactly as Planned”の紹介記事はこちら